マカと前立腺の関係性
前立腺は精液の主要な成分である前立腺液を分泌するための器官であり、男性の射精機能で重要な役割を果たします。
前立腺は男性にのみ存在する器官で、女性には存在しません。
前立腺から分泌される前立腺液は精液の3割を占め、精子の働きを補助する大切な役割があります。
前立腺が健康な状態ならば精子の働きを補助する前立腺液が安定して分泌されるため、男性の生殖能力も高まります。
マカはホルモンバランスを整え、男性ホルモンの分泌促進効果があり、その効果は前立腺機能の活性化作用もあります。
前立腺の主な役割
前立腺の主な役割は前立腺液の分泌です。
男性器から射精される精液は、精巣で生成される精子と前立腺液や精嚢分泌液が混ざったものです。
前立腺から分泌される前立腺液は射精される精液の3割を占めており、精子の保護、栄養供給、運動機能の補助などの役割があります。
前立腺は膀胱の下に位置しており、尿道は前立腺に挟まれる位置にあります。
前立腺は収縮することで排尿や射精などの排泄機能を制御する役割もあります。
このため「前立腺肥大症」という前立腺が腫れ上がる病気になると尿道や膀胱が圧迫され、排尿障害を引き起こす要因にもなります。
前立腺の機能は男性ホルモンによって維持される
前立腺の機能の維持は男性ホルモンによって制御されています。
また、前立腺といえば「前立腺がん」や「前立腺肥大症」といった病気が有名ですが、それらの病気も男性ホルモンが大きく関わっています。
男性ホルモンには以下の3種類があります。
- テストステロン(95%が精巣で生成され、残りは副腎で生成される)
- デヒドロエピアンドロステロン(副腎で生成される)
- アンドロステンジオン(副腎で生成される)
上記の3種のうち、副腎で主に生成される「デヒドロエピアンドロステロン」と「アンドロステンジオン」をまとめて「副腎性アンドロゲン」と呼びます。
これらの男性ホルモンは前立腺に運ばれて前立腺の活動を促しますが、前立腺がんや前立腺肥大症の症状を進行させてしまうこともわかっています。
このためこれらの病気の治療には男性ホルモンの抑制療法が必要になる場合もあります。
マカの前立腺に与える影響
男性ホルモンには主に精巣で生成されるテストステロンと、副腎から生成される副腎性アンドロゲンがあります。
男性の生殖機能を活性化させるためにはどちらも重要な役割を果たします。
マカは男性ホルモンの分泌を促す
マカに含まれるアルギニンは必須アミノ酸の一種です。
アルギニンは脳下垂体に働きかけ、成長ホルモンの分泌を促す効果があり、体内のホルモンバランスを安定させる働きがあります。
前立腺の働きは男性ホルモンの安定した分泌が大切なので、アルギニンによるホルモンバランスの安定作用は前立腺の機能の活性化につながります。
マカに含まれるアスパラギン酸は前立腺液の原料となる
マカにはアミノ酸の一種であるアスパラギン酸が豊富に含まれます。
アスパラギン酸は体内でもある一定の生成が可能な非必須アミノ酸です。
前立腺液は精子に栄養を与える役割があります。
精液に含まれる精子は膣内に放出されると着床するために卵巣まで自力で泳ぐのですが、この際に必要となるエネルギーを生成するために、精子の内部にあるミトコンドリアが活躍します。
ミトコンドリアがエネルギーを生成するために必要になるのがクエン酸回路です。
前立腺液には、精子の中のミトコンドリアがエネルギー生成するためのクエン酸が含まれます。
アスパラギン酸はこのクエン酸回路の原料となるため、前立腺液を生成するための重要な成分となります。
マカには前立腺液や精嚢分泌液を生成するための成分が豊富
実際に射精される精液の内、精子は多くても5%程度です。
上記でも解説したように前立腺液が3割を占め、残りはカウパー腺液と精嚢分泌液です。
精液の7割近くが精嚢分泌液のため、精液の大半は前立腺液と精嚢分泌液と考えることができます。
前立腺液には精子の栄養分が含まれ、精嚢分泌液には精子の運動を活発にする糖分が含まれます。
実際に精液の量を増やすには前立腺液と精嚢分泌液を増やすことが重要なのですが、これらの生成には以下の成分が必要になります。
- アルギニン
- 亜鉛
- 鉄分
- ビタミンE、C
- セレン
マカには上記の成分が全て含まれており、とくにアルギニン、亜鉛、ビタミンEが豊富に含まれます。
このことから、マカは精液の主要な成分である前立腺液と精嚢分泌液を増やすために有効です。
マカは精液を構成する成分をすべて含んでいることからもわかるように、男性にとってはまさに天然の精力剤と呼べる生薬です。