マカに含まれるグルタミン酸
マカには豊富なアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は自然界に500種類以上存在する成分ですが、その内で人間の身体づくりに不可欠なアミノ酸が20種類あります。この人体に不可欠な20種類のアミノ酸は主にタンパク質の原料となり、一部は生命活動にも用いられます。
マカに含まれるアミノ酸の一つに「グルタミン酸」があります。
この記事ではマカに含まれるグルタミン酸について解説します。
グルタミン酸は非必須アミノ酸
人間の身体のタンパク質をつくる20種類のアミノ酸は、9種類の「必須アミノ酸」と11種類の「非必須アミノ酸」に分類されます。
必須アミノ酸とは人間の体内で生成することが出来ないアミノ酸で、食べ物から摂取することが「必須」となるアミノ酸です。逆に、非必須アミノ酸は身体の中である程度の生成は可能です。しかし、非必須アミノ酸も体内で十分に生成されるわけでは無いため、やはり食物から摂取することは大切です。
この記事で言及するグルタミン酸は、体内で生成可能な非必須アミノ酸に分類されます。
グルタミン酸は旨み成分の一つ
グルタミン酸は1866年にドイツの学者が発見しました。その後、1908年に日本の大学教授により、グルタミン酸は旨み成分であることが発見されました。
旨み成分とは文字通りで、味を美味しく感じさせる成分です。
旨み成分は3種類あり、グルタミン酸の他に「イノシン酸」、「グアニル酸」があります。グルタミン酸はアミノ酸の一種ですが、イノシン酸とグアニル酸は核酸に分類されます。
この3種の旨み成分は、合わさることで旨み成分が強くなることが判明しています。これを「旨みの相乗効果」と呼びます。
例えばグルタミン酸は昆布、トマト、白菜、などに多く含まれます。イノシン酸は鰹節、イワシ、煮干し、などに多く含まれます。
和食では、昆布と鰹節で出汁を取ると美味しくなります。洋食ではイワシとトマトの組み合わせのメニューが存在します。これらは典型的な旨みの相乗効果です。
ちなみに、グルニア酸は干し椎茸に多く含まれています。和食の主要な出汁素材である昆布、鰹節、干し椎茸は旨み成分の相乗効果に則った理想的な組み合わせなのです。
グルタミン酸の健康作用
グルタミン酸はただ美味しいだけではありません。
グルタミン酸は、摂取すると体内のアンモニアの分解を促す作用があります。アンモニアは体内で発生する毒素のため、それを分解して無毒化するのがグルタミン酸の役割です。
グルタミン酸は興奮を司る神経伝達物質を原料となることがわかっており、たくさん摂取することで記憶力の向上、認知症の予防に繋がるという説が有力となっています。
アミノ酸の多くはタンパク質の原料となり、筋肉や肌を生成する役割がある場合が多いのですが、肌を保湿する天然保湿成分の約4割はグルタミン酸で構成されています。このためグルタミン酸は、肌の角質層の潤いを保持する保湿効果のある栄養素でもあります。
以上のように、グルタミン酸はただ美味しいだけでなく、解毒作用や美肌効果、脳の働きの活性化、などの効果が期待できる栄養なのです。
マカに含まれるグルタミン酸
マカ100gにはおよそ0,82gのグルタミン酸が含まれます。
マカにはタンパク質をつくる20種類のアミノ酸の内の18種類という、非常に多様なアミノ酸が含まれています。
マカに最も多く含まれるアミノ酸の第1位は「プロリン」で、約2,53g含まれます。そしてグルタミン酸の0,82gは第2位です。第3位がアスパラギン酸の0.66gです。アルギニンも0,64g含まれるため、アスパラギン酸とほぼ同等です。
以上のようにマカには非常に豊富なアミン酸が含まれますが、その中でもグルタミン酸を多く含むという特徴があります。