マカに含まれる非必須アミノ酸
マカには非常に豊富な種類のアミノ酸が含有されています。
マカの多種多様な健康効果は豊富なアミノ酸による恩恵と言っても過言ではありません。
アミノ酸は「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の2種類に大別されます。
必須アミノ酸とは人間の体内で生成できないアミノ酸のため、食べ物から摂取することが「必須」となるアミノ酸です。ちなみに必須アミノ酸は「必要アミノ酸」、「不可欠アミノ酸」、と呼ばれる場合もあります。
逆に「非必須アミノ酸」はある程度体内で生成可能なアミノ酸です。マカにはどちらのアミノ酸も含まれています。
本稿ではマカに含まれるアミノ酸の中でも、「非必須アミノ酸」について解説します。
マカに含まれる非必須アミノ酸
非必須アミノ酸はアミノ酸の中でも体内で生成可能なアミノ酸です。
主にタンパク質の原料となり、人体に有益なアミノ酸は20種類ありますが、(自然界に存在するアミノ酸は500種類以上)その内の11種類が非必須アミノ酸に該当します。
マカに含まれる非必須アミノ酸を以下にまとめました。
●アスパラギン酸
●グルタミン酸
●セリン
●グリシン
●シスチン
●アラニン
●アルギニン
●チロシン
●プロリン
これらは全て非必須アミノ酸のため体内である程度生成されるという特徴があります。
アスパラギン酸の効果
アスパラギン酸はその名前からもわかるようにアスパラから発見されたという歴史があります。
アスパラギン酸の主な役割は体内のミネラルを身体中に運ぶこと、体内で生成される有毒物質のアンモニアの排出作業の促進です。身体にミネラルが不足したり、有毒物質であるアンモニアの排出が滞ったりすると身体は疲労感を覚えます。そのためアスパラギン酸は疲労回復に貢献する滋養強壮の栄養素として認知されています。
グルタミン酸の効果
グルタミン酸は旨味成分としてお馴染みの存在で、特に昆布の旨味はグルタミン酸によるものであることは有名です。
グルタミン酸は上記のアスパラギン酸と同じく体内のアンモニアの排出作用を促す効果があります。
グルタミン酸は肌を保護する天然保湿成分の4割を占める成分でもあり、美肌効果に欠かせない成分です。さらに神経伝達物質としての働きもあるため認知症予防に効果的であるという説も有力視されています。
セリンの効果
セリンは上記のグルタミン酸と同様に天然保湿成分を構成する主要なアミノ酸です。そのため美肌効果に貢献する成分です。
シルクは蚕の糸から作る成分ですが、シルクにはセリンが多く含まれ、シルク特有の柔らかい肌触りはセリンによるものです。
セリンは脳の神経細胞を構成する成分でもあるため、脳の機能を正常に保つためにも重要な成分であると考えられています。
グリシンの効果
グリシンは皮膚を作るための主要な成分です。
皮膚の原料となるコラーゲンはグリシンが約3割を占めています。このためグリシンは皮膚を健康に保つために重要なアミノ酸です。
グリシンは神経伝達物質を構成する成分でもあるため、正常な呼吸や運動のためにも重要な存在です。
シスチンの効果
シスチンはタンパク質の中でも、髪や爪を構成する「ケラチン」の原料となるアミノ酸です。そのためシスチンが不足すると栄養を多く含んだ健康的な髪を生成することが難しくなります。
シスチンは抗酸化物質であるグルタチオンの原料にもなるため、抗酸化作用によるアンチエイジング効果にも関連する成分です。
アラニンの効果
アラニンは体内のほとんどの種類のタンパク質に含まれるアミノ酸です。そしてアミノ酸の中で最も「グルコース」に変わりやすい成分、という特徴もあります。
グルコースは肝臓に蓄えられるエネルギー源の一つです。そのためアラニンはエネルギー源を作るための成分でもあります。
アルギニンの効果
アルギニンは成人前の段階では体内で生成されず、つまり必須アミノ酸に分類されます。しかし成人後から体内で生成されるようになります。そのため便宜上、非必須アミノ酸に分類されている感じです。
アルギニンは成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、などのホルモン分泌を促す作用があります。成長ホルモンは特に成長期には重要なホルモンのため、積極的に摂取したいアミノ酸です。成人後も成長ホルモンは新陳代謝を促す作用があるため、アンチエイジング効果に繋がります。
インスリンは摂取した糖分を分解する働きがあります。
インスリンが不足する状態がいわゆる糖尿病であるため、アルギニンは糖尿病予防に有効な成分であると考えられます。
インスリンが十分に分泌され、糖分を分解するということは脂肪の蓄積を抑える働きもあるため、アルギニンはダイエットにも貢献する成分です。
チロシンの効果
チロシンは非必須アミノ酸であるため体内で生成されるのですが、チロシンの生成には「フェニルアラニン」という必須アミノ酸が必要になります。つまりチロシンをマカ などの食べ物から直接摂取することは、体内でのチロシン生成の必要性を減らすので、結果として必須アミノ酸である「フェニルアラニン」の節約につながります。
チロシンはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの気持ちを高揚させるホルモンの原料になります。
アドレナリンやドーパミンは幸福感を感じるためのホルモンでもあり、心の元気の源です。過度に不足するとうつ病のリスクを高める可能性もあります。
プロリンの効果
プロリンは肌を生成するコラーゲンの主要な成分であるため、美肌を保つために欠かせないアミノ酸の一つです。
プロリンの主な役割は角質層の保湿とコラーゲンの修復作用です。