マカの歴史
マカは多種多様な健康作用があるスーパーフードとして世界的に有名な存在です。
日本で一般的にマカの存在が認知されたのは2000年以降のことで、マカの長い歴史から考えると最近の出来事といえます。
日本の文化にはごく最近登場したマカですが、原産国のペルーでは2000年以上も前から珍重されてきた歴史があります。
ペルーでのマカの歴史
マカは原産国のペルーでは2000年以上前の記録に、すでに登場しています。ペルーの地方では古くから「アンデスの薬草の女王」と呼ばれ、珍重されてきました。
15世紀ごろにペルー地方で繁栄し、マチュピチュ遺跡を建造したことでも有名な「インカ帝国」の記録にもマカは大々的に登場します。インカ帝国時代の記録には、マカは上流階級しか食べることが出来ない非常に貴重な存在だったそうです。
インカ帝国では、マカは手柄を立てた兵士に与えられる恩賞としても用いられたという記録もあります。インカ帝国は周囲の国を破竹の勢いで侵略した、とても戦争の強い国だったのですが、その理由の一つは兵士にマカを与え、マカによる滋養強壮で強い軍隊を作ることが出来たから、という説もあります。
インカ帝国の時代は【リャマ】という動物が主要な家畜だったのですが、ごく少量のマカとリャマ一匹が等価交換されるくらいマカは高価な存在でした。現在の感覚ならば牛や馬一頭と少量のマカが同じくらいの値打ち、という感じでしょうか。
現在、ペルーにとってマカは貴重な外貨獲得のための特産品となっており、輸出は厳しく制限されています。現地のペルーで収穫されたマカは乾燥、粉末加工して国外に輸出されます。基本的に加工品しか輸入できないため自国で栽培することが出来ません。
しかし日本も含め、いくつかの国はペルーがマカの輸出を本格的に規制する以前に種を輸入しており、自国で栽培しています。実は日本は原産国ペルーに次ぐ、高品質なマカの栽培に成功している国なのです。
日本でのマカの歴史
日本でマカが初めて登場したのは1990年に大阪で開催された【国際花と緑の博覧会】によるペルーの出展だったそうです。それから1997年ごろに日本法人が健康食品として取り扱いを始めました。
2001年にテレビの情報系バラエティ番組で紹介され、日本での認知度が一気に上がりました。2003~2006年の3年間で、日本はペルーからのマカの輸出がアメリカに次いで2位という記録が残っており、現在でもマカは日本で非常に知名度の高いスーパーフードです。
現在の日本はマカを自国で栽培しています
日本はペルーがマカを輸出制限する前から輸入しており、独自に栽培しています。日本のマカ栽培は主に福島県を中心とした東北地方で行われています。
マカの原産国であるペルーは標高4000メートルという、富士山よりも高い標高の地域があります。マカは非常に標高が高く、昼夜の温度差の激しい高原の気候が適しているため、日本はその条件には合っていません。そのため日本人は日本の土壌でマカが育つように品種改良を重ね、10年以上の歳月をかけて日本の土壌によるマカの栽培に成功しました。
現在、日本ではペルーから輸入する加工済みのマカと、国産のマカの両方が流通しています。
ペルーは加工済みのマカしか輸出していないため、生の状態のマカを入手するには日本産を選ぶ必要があります。
中国でもマカの栽培は行われていますが、日本産と比べると品質が劣る点が多く、安価に手に入るマカとして流通している感じです。
非常に安価で、原産国の記載のないマカのサプリメントは中国産のマカの場合が多いようです。
日本産のマカはペルー産と比べ、栄養成分が劣る点もあれば、ペルー産よりも豊富に含む栄養成分もあります。日本産のマカは元祖のペルー産以外のマカの中では高品質であるという評価が多く、現在の日本はマカ栽培の先進国として認知されています。